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暗黒音楽玉手箱

ダークで美しい音楽を節操なくマイペースに紹介していきます。HR/HMが中心ですが、時折Goth/Darkwave/Industrial/Electro系も。青は個人的おすすめソング。

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DEVIL DOLL「Dies Irae(邦題:怒りの日)」(1996年) 

DEVIL DOLL「Dies Irae」(1)

1. Dies Irae

スロヴェニア出身のカルト・バンド、DEVIL DOLLの4th。彼らの最高傑作と名高いアルバムである。
DEVIL DOLLはバンドとは言っても実質はMr.Doctorなる人物のソロ・プロジェクトだ。
作詞・作曲・トータルコンセプトを全て彼が務め、レコーディングにおいては彼が担うパート以外は全てセッション・ミュージシャンを起用している。

ヨーロッパにあるということ以外はなんだかピンとこないスロヴェニアという国名、Mr.Doctorという人を食ったようなネーミングセンス - それだけでも十分胡散臭いのだが、肝心の音の方はそれに輪をかけたように胡散臭い。
彼らの音楽は「耳で”見る”オカルト・ホラー・ムービー」。一言で言うとズバリこれだ。
どぎついGothic Rockを指して、しばしば「ホラー映画のサントラのような」と表現されることはあるが、音自体がホラー映画そのものであるといったパターンは意外にも少ない。
僕の記憶する限りではKING DIAMOND辺りがそれに近いか。
コンセプチュアルなホラー・アルバムという意味合いでは両者は確かに類似しているが、KINGのそれが(例のヴォーカルさえ除けば)オーセンティックなHeavy Metalであるのに比べ、DEVIL DOLLのそれは、よりクラシカル、よりシアトリカル、そしてより・・・偏執的だ。

DEVIL DOLLは多分にChamber Rock的な雰囲気を兼ね備えており、それ故プログレ畑で語られることが多いアーティストだ。
けれど、実はメタル耳にも十分に受け入れられる素質を持ったバンドでもある。
特にこの4thアルバムは、大仰で身の毛もよだつ不気味さを過去の作品群から引き継ぎつつも、要所要所にメタル魂を揺さぶるギターメロディやパワフルで扇情的な展開が顔を覗かせたりする。
Mr.Doctorの声質も踏まえ、LACRIMOSA辺りを好んで聴く方ならば、もしかしたらDEVIL DOLLも気に入っていただけるかもしれない。

DEVIL DOLL「Dies Irae」(2)

「Dies Irae(邦題:怒りの日)」は、先ほども述べたように彼らの最高傑作と評価されることの多いアルバムだ。
スタジオが火災(テロ?)に遭い、一度はマスターテープが消失してしまったといういわくつきの過去もある。
CD内の電気信号自体は便宜上16トラックに分かれているが、実際は1曲のみ。
曲間一切なしの完全な1曲構成。46分の大作だ。(まあ、彼らのアルバムはどれもこれもそんな感じだけれど。)
過去の作品同様に完全なフルオーケストラ、混声合唱を導入しての暗黒耽美、狂気と妖気がないまぜになった恐怖のパラノイア音楽が、46分もの間延々と耳を刺激し続ける。
ただ、その冗長とも言える時間軸の中で緩急自在に目まぐるしく展開されるシアトリカル・ワールドは、決して聴き手を飽きさせない。
もちろん、好き嫌いがはっきり分かれる音楽であることはまず間違いない。
人によっては、不安をいたずらに煽るかのような緊迫感のあるストリングスが唐突に耳を突くオープニングから、いきなり嫌悪感を抱いてしまうかもしれない。
そして追い打ちをかけるかのように、Mr.Doctorの爬虫類が絡みつくかのような執拗なまでに不気味で狂気を孕んだヴォーカルが覆いかぶさってくる。
この時点でプレイヤーの停止ボタンを押してしまう人はかなりの数にのぼるだろう。
けれど、あとほんの少し待ってほしい。
あともう少し聴き続ければ(そしてMr.Doctorの声に慣れてしまえば)、DEVIL DOLLの持つ、-極めて内省的ではあるけれども- 計算しつくされた純粋なSymphonic Musicとしての類稀なる構成力と美意識に気づいてもらえることだろう。
それはもしかしたら、Symphonic Rock/Theatrical Rockの異形な完成形態であるのかもしれないのだ。

Mr.Doctorが表現しようとしている、いびつで濃密な暗黒の精神世界。
一度でもその虜になってしまうと、もはやあらゆる類いのコンセプト・アルバムが殊更にチープで表面的なものに感じてしまう。
僕が行き着いた先の、最高の暗黒音楽としての一つの答えがここにある。


【Dies Irae】
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Posted on 2012/02/01 Wed. 07:23 [edit]

thread: CDレビュー

janre 音楽

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コメント

 数少ないdevil doll のレビューの中で、恐らくこれは一番私の感想に近いレビューでしょう。このレビューを読んでなんだか同行者が居て幸せって感じです。ありがとう。
 冗談抜きでこのアルバム500回以上聞きましたが、未だに数日に一度リピートします。私にとってdevil dollこそ暗黒音楽の頂点です。これよりこれほど「構築」されている暗黒音楽はなかなかお目にかかれません。すべて自分の好みに合致しているのが、運命の出会いとしか言いようがありません。
 でも、一般的にLACRIMOSAを比較としてあげる人が多いですが、私から見ればdevil dollに一番近いのは、Mr.doctorを尊敬してるオーストリアの暗黒プログレバンドAngiziaでしょう。違いがあれば、devil dollは詩であり、angiziaは小説です。そしてangiziaに不思議な陽気なところがあり、いわば自虐で楽しんでいる節があります。
 KING DIAMONDを上げられましたが、キングの歌は正直ちょっと単調です。二つの声色分けてのシアトリカル演出は似ているかもしれないが、やはりdevil dollのような千変万化の展開とは別物というのは、私の感想です。
 
  

りょう #8aQSy.Vw | URL
01/19 01:02 | edit

Re: タイトルなし

こんにちは。
数少ないDEVIL DOLLファンに会えて嬉しく思います。
ANGIZIAは知りませんでした。非常に興味があります。

http://www.metal-archives.com/bands/Angizia/3036
こちら見ますとけっこうアルバム出してるみたいですが、まずはどれがお勧めでしょうか?
もちろん、DEVIL DOLLの「Dies Irae」により近いアルバムがいいですw
良かったら教えてくださいませ。

Ladyrosendead #- | URL
01/19 04:44 | edit

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