12 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 02

暗黒音楽玉手箱

ダークで美しい音楽を節操なくマイペースに紹介していきます。HR/HMが中心ですが、時折Goth/Darkwave/Industrial/Electro系も。青は個人的おすすめソング。

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THERION「Vovin」(1998年) 

THERION「Vovin」(1)

1. The Rise Of Sodom And Gomorrah
2. Birth Of Venus Illegitima
3. Wine Of Aluqah
4. Clavicula Nox
5. The Wild Hunt
6. Eye Of Shiva
7. Black Sun
8. Draconian Trilogy - The Opening
9. Draconian Trilogy - Morning Star
10. Draconian Trilogy - Black Diamonds
11. Raven Of Dispersion
12. Crazy Night  *Japanese bonus track

スウェーデンのベテランSymphonic Dark Metalバンド、THERIONの通算6作目にあたるフルレンス。
THERIONは3rdの「Symphony Masses」からのファンだが、彼らはこの3rdを機に大きく化け始めた。
未だダーティーなDeath Metalテイストがプンプン匂ってくる禍々しい雰囲気のアルバムではあったが、(未熟ではあるけれども)大仰なシンフォニック・アレンジがそこかしこに顔を覗かせ、THERION特有の儀式的で怪しげな空気も纏いつつあった。
今ではさして珍しくもないメロディアスなDeath Metalというのも当時は稀有な存在だったため、僕の耳に非常に新鮮な刺激を与えてくれたことを覚えている。
続く4thの「Lepaca Kliffoth」では、より卓越したメロディ・センスを手中に収め、名曲"The Beauty In Black"や"Evocation Of Vovin"に見られるオペラティックなコーラスは、その後のTHERIONの方向性を決定づけることになる。
そして登場したのが名盤「Theli」だ。Operatic Dark Metalの一つの完成形である。
「Theli」以降のTHERIONの音楽的方向性はほとんどぶれることなく変わっていないのだが、未だ創成期にあるため「Theli」のそれは非常に荒々しい。
現在のTHERIONで聴かれるような計算されつくした緻密で繊細な雰囲気はあまり感じられない。
だが、逆を言えば「よりメタリックである」ということ。
正直、今のTHERIONはあまりにクラシック・サイドに傾倒しすぎているきらいがあり、どうにも馴染めない。
メタルのアグレッションが十分に内在していたこの頃のTHERIONが僕にとっては黄金期だ。

話がかなり横道に逸れてしまったが(それだけTHERIONというバンドが僕にとって特別な存在であるという証左なのだけれども)、今日紹介したいのは「Theli」に続く彼らの6thフルレンス「Vovin」。
「Theli」と並んで甲乙つけがたい、超思い入れのあるアルバムだ。
「Theli」を"動"とするならば「Vovin」は"静"。
Heavy MetalとClassicの間を揺れ動いているTHERIONが、その双方のおいしい所を絶妙のバランスで吸収消化し、非常に繊細で美しいDark Metalとして世に送り出してくれたもの。それがアルバム「Vovin」だ。
当時、まだ真っ当な社会人をやっていた僕は、仕事の休憩時間中に本屋で立ち読みしていたBURRN!誌上で「Vovin」のリリースを知った。
その時、誇張などでなく本当に涙を流して歓喜した。全身に鳥肌が立った。
仕事なんぞほっぽり出して、今すぐ新宿西口の輸入盤店に駆け込みたい衝動に駆られた。
それほど当時の僕はTHERIONというバンドに魅入られていた。

まあ結局、輸入盤を買うのはグッとこらえて少し遅れてリリースされた国内盤を購入することになったのだが、肝心の中身は期待に足る素晴らしいものだった。
THERIONは、ルーツ的にも根底に流れる精神性自体も、決してGothic Metalにカテゴライズされるバンドではないが、それでもなおTHERIONのGothicな側面を体感したいのであれば、一にも二にもまずはこのアルバムをお勧めする。
「Vovin」はTHERIONの作品群の中でも突出して繊細優美、そして闇を纏った儚い叙情性に満ち満ちたアルバムだ。
もちろん、彼らが生粋のHeavy Metalバンドである以上、当然のように#3・#5のようなヘヴィでタイトな曲も収録されている。(とは言え、大仰な混声コーラスバリバリのTHERION節全開な点は他の曲と大差はないのだが。)
これらの曲ももちろん悪くはないのだが、「Vovin」アルバムの真価は#2や#4にある。
本格的なオーケストラを起用したことにより、ストリングス及びコーラスパートに前作とは比にならない重厚なクラシック・テイストを有するに至ったTHERION。
その彼らが描き出す、Dark MetalとClassicのパーフェクトな融合 - それが#2・4だ。

ちなみに#2はPVも作成されている。
THERIONのPVは、"To Mega Therion "といい"Kali Yuga Ⅲ"といい、せっかく曲が素晴らしいのに映像の方がどうもいまいちで垢抜けないものが多い。
なんだか往年のJUDAS PRIESTのようなバンドだったりするのだが、#2のPVは数少ない例外のようだ。
ライヴ撮りが素材となっているPVなのだが、その色調はアルバム・アートワークと同様のシックなセピア色。
その中をヴォーカルのMartina Hornbacherが恍惚とした表情で終始ゆったりとなまめかしく踊り続ける。
ある種の気品すら感じられる非常に印象的なPVだ。


【Birth Of Venus Illegitima(PV)】
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Posted on 2012/01/28 Sat. 07:30 [edit]

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janre 音楽

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DIARY OF DREAMS「Freak Perfume」(2002年) 

Diary Of Dreams「Freak Perfume」(1)

1. Traum:A
2. The Curse
3. O' Brother Sleep
4. Chrysalis
5. Traumtanzer
6. Rebellion
7. Bastard
8. Amok
9. She
10. Verdict
11. Play God!
12. She And Her Darkness

今回紹介するDIARY OF DREAMS(ドイツ)は、「Dark Electro界のMY DYING BRIDE」・・・と呼んでいるのはたぶん僕だけだったりするが、でもまあ案外的を射ている - そんなユニットだ。
それほどまでに音楽性が初期MDBに通じるものがあると思う。そして、だからこそ素晴らしい。

僕がDODにハマったのは3年ほど前のこと。たまたまYoutubeで彼らの曲"Tears Of Laughter"を聴いたのがきっかけだった。
一聴した瞬間「こいつはやべぇ・・・」と心臓がバクバクいい出したのを鮮明に覚えている。
"Tears Of Laughter"は、僕にとってあまりにストライクゾーンすぎる曲だった。
囁き声にも似た冷たく陰鬱なヴォーカル、暗く憂いを帯びたスローテンポのピアノ、闇属性の詩的で退廃的な歌詞・・・すべてが完璧だった。
それは僕にとっての不朽の名曲、MY DYING BRIDEの"Sear Me MCMXCⅢ"を思い起こさせた。

その後は憑りつかれたように彼らの曲を聴き漁った。
その中でも最も完成度が高いと感じたのが、この7thフルレンス「Freak Perfume」だ。
最新アルバム「Ego:X」の1個前、アルバム「(if)」もなかなかの悶絶盤だったが、今日はなんとなく"She And Her Darkness"を紹介したい気分なので「Freak Perfume」の素晴らしさの方を語っていこうと思う。

Diary Of Dreams「Freak Perfume」(2)

DODのアルバムは、どれも楽曲の持つ雰囲気というか性質は似通っている。
ミドル~スローテンポのエレクトリック・ビートを基軸に、サンプリング/シンセサイザーそして時にはピアノが色を添える。
曲の持つイメージはとにかく「闇」。Gothic Metalに相通じる内省的で陰鬱な「闇」だ。
そのアトモスフェリックで霧がかったサウンド・スタイルは、まさにDarkwaveの真骨頂。
そしてメイン・ソングライターでもあるAdrian Hatesのニヒリスティックでディープなヴォーカルが狂おしいほどに魅力的なのだ。
「虚無」という名の異形の優しさに包まれたその歌声は、聴く者のハートをいばらの紐でそっと絡めとり涙を誘発させる。
アルバム「Freak Perfume」は、そんな彼らの魅力がほぼ100%に近い形で発揮された類稀なるアルバムだと言い切れる。
ダークなリズム・ビートに身を委ねたいならば#2・9、じわじわと広がり続ける冷たい闇を肌で感じ取りたいならば#3・12あたりがまずはお勧めだろうか?
どれも彼らの曲の中では起伏がしっかりした、なおかつメロディ・ラインの輪郭が掴みやすいナンバーなので、入門にはうってつけだと思う。

そして、僕が個人的に最も気に入っているのはアルバムラストを締めくくる#12だ。
DODの、いや、それどころか古今東西聴き続けてたあらゆる音楽の中でも、群を抜いて耽溺している曲だ。
この曲の持つ美しさといったらもう・・・筆舌に尽くし難い。
イントロからラストまですべてが完璧だ。
"Tears Of Laughter"といい"The Valley"といい、DoDは時々クラシック・サイドにアプローチした涙腺刺激ナンバーを世に送り出すが、#12はその象徴、「Darkwave meets classic」の理想形に違いない。
確かに暗く絶望的な曲だが、僕は心に不穏な影が覆いかぶさってきた時には、決まってこの曲の美しさに身も心も委ねたくなる。
「悲しみと絶望の中にこそ安らぎがある」 - 僕がDark Musicを聴いている時にしばしば陥る感覚だが、それを最も顕著に感じさせてくれる最高のトランキライザーのような珠玉の作品だ。


【She And Her Darkness】

Posted on 2012/01/26 Thu. 03:34 [edit]

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janre 音楽

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SENTENCED「Cold White Light」(2002年) 

Sentenced「Cold White Light」(1)

1. Konevitsan Kirkonkellot
2. Cross My Heart And Hope To Die
3. Brief is The Light
4. Neverlasting
5. Aika Multaa Muistot (Everything Is Nothing)
6. Excuse Me While I Kill Myself
7. Blood & Tears
8. You Are The One
9. Guilt And Regret
10. The Luxury Of A Grave
11. No One There

フィンランドの"Serial Self-Killer"、叙情派鬱メタルの雄、SENTENCEDの7thアルバム。
「絶望系のメタルと言えばSENTENCED」と言われるほど世間ではもてはやされている彼らだが、個人的にはそこまで高評価するほど思い入れのあるバンドではない。
歌詞は確かに惨めな自己否定に彩られているが、肝心のメロディに今一つ情感を掻き立てられないというか、ピンとこないものが多かったからだ。
前作の「Crimson」で言えば、"Fragile"と"Killing Me Killing You"以外はあまり心に届くものがなかった。

そんなわけで、自分にとっては「今一歩なバンド」という印象の彼らだが、このアルバムだけは別格だ。
北欧の薄明の白夜をそのまま音にしたかのような、淡い透明感に彩られた音像。
青白い悲哀と絶望を、心の内に溜め込んだ攻撃性と共に解き放つその様は、僕の心のくすんだ部分を執拗にえぐりまくる。
歌詞は歌詞で、相も変わらず出口が全く見当たらないものばかり。
世を憂い、死へといざなう絶望の言葉で満ち溢れている。

#2・・・最愛の人を失い、もうこれ以上生きる意味を見出せない。十字を切り死を望む。
#3・・・人生とは儚いもの。空虚な思いが身を包む。
#4・・・自暴自棄。俺たちは自らの生を生き急ぐ。
#5・・・俺にとってはすべてが無意味だった。人生とは何だったのか?何一つやり遂げることができなかった。
#6・・・もう勘弁だ!脳みそを壁にぶちまけて自殺してやる!
#7・・・何もかもが奪い去られ、人生は失望の連続でしかなかった。
#9・・・俺のそばにあったのは常に罪、そして後悔。逃げ出すことなど叶わない。
#10・・・俺のような人間に墓なんてふさわしくない。野晒しにされて朽ち果てるのがお似合いだ。
#11・・・希望も安らぎもない俺の人生。たどり着いた先は絶望という名の孤独な暗闇だった。

「おいおい・・・おまえらちょっと落ち着け」と言いたくなるほど、食傷気味の自己嫌悪と絶望で埋め尽くされている。
その塞ぎ込むような陰鬱な思いを、時には諦念の安らぎの表情で語りかけ、そして時にはやり場のないアグレッションで打ちのめすVilleのヴォーカルは、聴く者の心をどうしようもないほど締め付ける。

11曲中、アルバム全体のイメージを最も色濃く反映しているナンバーは#2だろう。
冷たく哀愁漂う絶品のメロディ、愛する人を失い生きる希望が潰えた男の最後の言葉。これぞSENTENCEDの醍醐味だ。間違いなく、アルバム中一二を争う名曲だろう。
けれども、僕が個人的に最も気に入っているのは#2でなく#8だ。
#8はアルバムの中でも異色の存在だ。何故ならこれはラヴ・ソング。絶望だらけのこの世界で、たった一つの生きる目的を見出した男。SENTENCED流の慟哭のラヴ・ソングだ。
救いのないアルバムの中のたった一つの光であるこの曲が「救いのないこの世界で君だけが一筋の光、最後の希望」と歌い上げる様は、なんとも心が洗われる。
始まりは清廉なメロディで愛を語りかけ、サビでその思いが胸に突き刺さるような激情の涙へと変貌する。その対比が本当に素晴らしい。
僕にとっては、THE MISSIONの"Butterfly On A Wheel"と双璧をなす究極のラヴ・ソングだ。


【Cross My Heart And Hope To Die】



【You Are The One】

Posted on 2012/01/22 Sun. 17:06 [edit]

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janre 音楽

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THE KOVENANT「Animatronic」(1999年) 

The Kovenant「Animatronic」(1)

1. Mirrors Paradise
2. New World Order
3. Mannequin
4. Sindrom
5. Jihad
6. The Human Abstract
7. Prophecies Of Fire
8. In The Name Of The Future
9. Spaceman
10. The Birth Of Tragedy
11. New World Order (Remix by Mat Sinner) *Japanese bonus track

その筋ではある程度名の通った面々が集まって結成したノルウェーのBlack Metalプロジェクト、THE KOVENANTの3rdアルバム。(2ndまではCOVENANTと名乗っていたが、バンド名の権利関係の問題でTHE KOVENANTへと改名するに至る。)
Black Metalと言ってもDARKTHRONEや初期MARDUKから連想されるようなプリミティヴなものではなく、シンフォニックなExtreme Metalとして純粋に捉えた場合に、極めて完成度の高い音楽をやっている。
2ndの「Nexus Polaris」は、様式美的なメロディ・ラインに流麗なキーボード・ワークとソプラノ女性コーラスが乗るという、所謂「Symphonic Black Metal」の一つの完成型として名を馳せたアルバムだった。
そして、この3rdアルバムにおいて彼らは、自分たちが築いた型をいったん取り壊し再構築し、更なる深化を遂げた抜群に魅力的なサウンドを提示してくれている。

「Animatronic」は一言で言えば"Digital Symphonic Black Metal"だ。
CyberでDigitalなBlack Metalと言うとスイスのSAMAELが真っ先に思い出されるが、そのSAMAELをよりシンフォニックに、よりメロディアスにした形と捉えると分かりやすいかもしれない。
「Animatronic」においては2ndにあったような扇情的なメロディはやや影を潜め、代わりに機械的なインダストリアル・サウンドがアルバム全体を埋め尽くしている。
しかし同時に、シンセサイザーによるふんだんなシンフォニック・アレンジが前作以上にそこかしこにまぶされているという寸法だ。
もちろん妖艶な女性コーラスも健在だ。(はっきりしたクレジッドがないので分からないが、おそらく前作と同じくSarah Jezebel Divaによるものだろう。)
#1の中間パートや#2のイントロで聴けるような、前作の"Chariots Of Thunder"直系のゴリゴリでクールなリフ・ワークも十分にメタル魂を揺さぶってくれる。
冒頭でも言ったが、ヴォーカルがヒステリックなHarsh Voiceであることを除けば、純粋なHeavy Metalアルバムとしてとてつもない完成度を誇っていると断言できる作品だ。

「Animatronic」がどんなアルバムなのか興味を持って頂けたならば、まずは#1を聴くことをお勧めする。
アルバムのオープニングを飾るにふさわしい、新生KOVENANTの魅力が100%詰まった超絶Killing Tuneだ。
この曲に揺さぶられるものがあれば、ヘヴィな#2、女声ハーモニーが怪しげな雰囲気を醸し出す#5、エッジの効いたファスト・ナンバーの#6あたりもきっと気に入ってもらえるはずだ。


【Mirrors Paradise】

Posted on 2012/01/19 Thu. 05:07 [edit]

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DEAD CAN DANCE「Serpent's Egg」(1988年) 

Dead Can Dance「Serpents Egg」(1)

1. Host Of Seraphim
2. Orbis de Ignis
3. Severance
4. The Writing On My Father's Hand
5. In the Kingdom Of the Blind The One-Eyed Are Kings
6. Chant Of the Paladin
7. Song Of Sophia
8. Echolalia
9. Mother Tongue
10. Ullyses

僕がDEAD CAN DANCEを知ったきっかけはELENDだった。
'94年当時、僕はELENDの1stに心酔しきっていた。
そのアルバムのライナーに、影響を受けたアーティストの一人としてDCDがリストアップされており、手始めに彼らの1stとベスト盤を購入したように覚えいてる。
ELENDの極暗黒クラシックとは少々趣を異にするが、DCDの描く中世音楽をベースにした荘厳な暗黒世界は、やはり当時の多感な僕の心を掴んで離さなかった。
今回紹介する「Serpent's Egg」は、彼らの4作目にして最高傑作と呼び声の高いアルバムである。

DCDの紡ぎだす音楽を一言で表現することは難しい。
強いて言えば、その退廃的で荒涼とした音イメージはNew WaveサイドのGothに通じるものがあるが、Gothがあくまで"Goth Rock" - つまり「ロック・サウンド」であったのに対し、DCDのそれは決してロックではない。
ヨーロッパの中世音楽、あるいは世界各地の民族音楽の要素をベースとし、神秘的でスピリチュアルな耽美世界を作り出す彼らの音楽は、例えば「暗く内省的なWorld Music」とでも表現するべきだろうか。

DCDはBrendan PerryとLisa Gerrardの2人による混成ユニットだ。
互いがヴォーカルパートを兼任しており、それぞれに違った魅力がある。
僕は個人的にはLisaの声の方が好きだ。と言うか、Lisaの声はBrendanのみならず、他のあらやるヴォーカルと比較した場合においても僕の心の琴線に激しくフィットする。
Lisaは基本的に言葉を話さない。彼女の歌声はほとんどの場合何らかの「言語」には属さないのだ。
専門的には「異言(glossolalia)」と称されるようだが、Lisaのたゆたうような神々しい歌声からそのような異世界の言葉が発せられると、僕なんぞはある種の畏敬の念すら感じてしまう。

DCDの荘厳かつ宗教的な音世界とLisaの神がかりな歌声の双方を余すところなく堪能できるのが、このアルバムのオープニングを飾る#1だ。
DCDに魅了された人の多くがBest Tuneに挙げる、DCD史上屈指の名曲だ。
大聖堂の天蓋から降り注ぐかのようなLisaの静謐な異言チャントは、奇妙な包容力を孕んでいる。
それは曲のタイトルが示す通り、神の絶対的な、抗うことのできない包容力なのかもしれない。
この曲を聴いても何も感ずるところがなければ、DCDの他の曲もおそらく心には響かないだろう。
そう断言してもよいほど、この曲はDCDを象徴するナンバーだ。


【Host Of Seraphim】

Posted on 2012/01/18 Wed. 03:48 [edit]

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janre 音楽

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NEFILIM「Zoon」(1996年) 

Nefilim「Zoon」(1)

1. Still Life
2. Xodus
3. Shine
4. Penetration
5. Melt [The Catching Of The Butterfly]
6. Venus Decomposing
7. Pazuzu [Black Rain]
8. Zoon (Parts 1&2) [Saturation]
9. Zoon (Part 3) [Wake World]
10. Coma

元FIELDS OF THE NEFILIMのヴォーカリストCarl McCoyが、バンド解散後に自らが再びブレインとなって結成したNEFILIMの1stアルバム。
ここ日本においてはあまり馴染みがないが、FIELDS OF THE NEFILIMと言えば80年代のイギリスにおけるNew Wave Gothシーンの暗黒面の象徴とも言える存在だ。
僕も後追いでしか彼らのことは知り得ていないが、その独特の浮遊感をたずさえたアトモスフェリックかつ呪術的なサウンドが、当時のUK Goth Rockシーンに与えた衝撃は計り知れなかったに違いない。

NEFILIMは、FoNで肥大し続けたMcCoyの闇への傾倒思想を基軸に、Industiral Rock特有の無機質な非人間性、そしてDeath Metalの持ち得る暴虐的な攻撃性が絶妙なバランスで一体となった奇跡の精神破壊音楽だ。
元々McCoyはFoN時代からかなり雄臭いダミ声を多用していたが、NEFILIMにおいてはそれにさらに磨きがかかっており、その狂気と残忍性は聴く者を言い知れぬ不安の渦へと引きずり込む。
最後には自分の魂がどす黒く塗りつぶされていく感覚に襲われるだろう。
そしてそれがたまらなく心地良いのだ。

NEFILIMに興味を持ってくれた方は、まずはシングルカットされた#4のPVを観てほしい。
McCoyの描こうとしている狂気の世界観が実に見事に体現された映像だ。
#4が気に入れば、おそらく#2・6・7あたりも心に響くことだろう。
#3のようなスロウでクリーピーなサウンドも味があって悪くないはずだ。

「Zoon」がリリースされたのは'96年のこと。(実は当時、徳間ジャパンという渋めのディストリビューターを介して国内盤も発売されていた。)
それから15年以上経ったわけだが、待てども待てども2ndアルバムがリリースされたという話はとんと聞かない。
DEVIL DOLLと共に、僕がNew Albumのリリースを心底心待ちにしているアーティストの一つなのだが、両者とも既に音楽活動は継続していないのかもしれない。
心にぽっかり穴が開きっぱなしになってしまったような寂しさを感じてしまう・・・。


【Penetration(PV)】

Posted on 2012/01/17 Tue. 05:36 [edit]

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janre 音楽

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MY DYING BRIDE「Turn Loose The Swans」(1993年) 

My Dying Bride「Turn Loose The Swans」

1. Sear Me MCMXCIII
2. Your River
3. The Songless Bird
4. The Snow In My Hand
5. The Crown Of Sympathy
6. Turn Loose The Swans
7. Black God

「ダークな音楽」と言ったら真っ先に自分の頭の中に思い起こされる暗黒メタル界の名盤。
ともかく果てしなく暗く陰鬱。希望の光など微塵も存在しない絶望を具現化したかのような音像。
だがしかし・・・限りなく美しい。
特に#1は暗黒耽美音楽の傑作ナンバー。ギターサウンド皆無の中、もの悲しいピアノ/ヴァイオリンの調べに乗り、Aaron(Vo.)の今にも消え入りそうな死を見据えたかの如き悲嘆のつぶやきが淡々と繰り返される。
アプローチ的にはMetalというより超ダークなProgressive Rockといった趣だが、それでもGothic Metalを語る上では決して外せないマスターピースであることは間違いない。

#1以外も全編通して病的なまでに暗く重く、アルバム全部を聴き終えた時には相当精神的にこたえるものがある。
決して万人受けする音楽ではないが、一度はまると抜け出すことなど叶わない、底なし沼のような魅力がここにはある。
このアルバムはMDBの2ndにあたるが、彼らはその後も色々な実験的試みをアルバムごとに取り入れつつ、その音楽性を変遷させていく。
しかし個人的には、この2ndを超える作品は未だ作り得ていないと感じる。
彼らが欧州で「自殺幇助メタル」などと称されるのも、この2ndのインパクトがあまりに大きかったからだと思う。
このアルバムに出会ってから既に20年近くの歳月が流れたが、ダウナーな気分に浸りたい時には未だに手離せない麻薬のような一品だ。


【Sear Me MCMXCIII】

Posted on 2012/01/16 Mon. 05:04 [edit]

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janre 音楽

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過去に紹介したCD一覧 [A・B] 

A
ABNEY PARK「Ancient World」(2012年)
ALL ABOUT EVE「Winter Words - Hits And Rareties」(1992年)
AMON AMARTH「With Oden On Our Side」(2006年)

B
BELIEVER「Dimensions」(1993年)
BEWITCHED「At The Gates Of Hell」(1999年)
BLUTENGEL「Demon Kiss」(2004年)
BURZUM「Hvis Lyset Tar Oss」(1994年)

Posted on 2012/01/15 Sun. 21:02 [edit]

過去に紹介したCD一覧[C・D] 

C
CEMETARY「Black Vanity」(1994年)
CRADLE OF FILTH「Thornography」(2006年)

D
DARK REALITY「Blossom Of Mourning」(1995年)
DARKSEED「Poison Awaits」(2010年)
DEAD CAN DANCE「Serpent's Egg」(1988年)
DESULTORY「Into Eternity」(1993年)
DEVIL DOLL「Dies Irae(邦題:怒りの日)」(1996年)
DIARY OF DREAMS「Freak Perfume」(2002年)
DIARY OF DREAMS「(if)」(2009年)
DIE LAUGHING「Heaven In Decline」(1996年)
DREADFUL SHADOWS「Buried Again」(1996年)


Posted on 2012/01/14 Sat. 21:16 [edit]

過去に紹介したCD一覧[E・F・G] 

E
EDGE OF SANITY「Purgatory Afterglow」(1994年)
ELEND「Leçons de Ténèbres」(1994年)
ELUVEITIE「Helvetios」(2012年)
EMPEROR「In The Nightside Eclipse」(1994年)

F

G
GOTHMINISTER「Happiness In Darkness」(2008年)
GOTHMOG「A Step In The Dark」(2009年)
GREGORIAN「Masters Of Chant Chapter Ⅱ」(2001年)
GRENDEL「Harsh Generation 」(2007年)

Posted on 2012/01/13 Fri. 21:31 [edit]

過去に紹介したCD一覧[H・I・J] 

H

I

J

Posted on 2012/01/12 Thu. 21:33 [edit]

過去に紹介したCD一覧[K・L] 

K
KARI RUESLÅTTEN「Demo Recordings」(1995年)
KATATONIA「Dance Of December Souls」(1993年)
KING DIAMOND「Abigail」(1987年)
KOVENANT(THE)「Animatronic」(1999年)

L
LAKE OF TEARS「A Crimson Cosmos」(1997年)
LAKE OF TEARS「Forever Autumn」(1999年)
LOVECRAVE(THE)「The Angel And The Rain」(2006年)
LOVE SPIRALS DOWNWARDS「Idylls」(1992年)

Posted on 2012/01/11 Wed. 21:35 [edit]

過去に紹介したCD一覧[M・N] 

M
MASTER'S HAMMER「Jilemnický Okultista(Filemnice Occulist)」(1992年)
MISSION(THE)「Carved In Sand」(1990年)
MOONSPELL「Wolfheart」(1995年)
MY DYING BRIDE「Turn Loose The Swans」(1993年)

N
NEFILIM「Zoon」(1996年)
NICK CAVE & THE BAD SEEDS「Murder Ballads」(1996年)

Posted on 2012/01/10 Tue. 21:46 [edit]

過去に紹介したCD一覧[O・P・Q・R] 

O
ORPHANED LAND「Sahara」(1994年)

P
PAMELA MORGAN「On A Wing And A Prayer」(1995年)

Q

R

Posted on 2012/01/09 Mon. 21:53 [edit]

過去に紹介したCD一覧[S・T] 

S
SAINTS OF EDEN(THE)「The Other Side」(1997年)
SAMAEL「Ceremony Of Opposites」(1994年)
SANTA HATES YOU「Crucifix Powerbomb」(2010年)
SATURNUS「Veronika Decides To Die」(2006年)
SENTENCED「Cold White Light」(2002年)
SEPTIC FLESH「ΕΣΟΠΤΡΟN(Esoptron)」(1995年)
SUICIDAL ROMANCE「Shattered Heart Reflections」(2010年)
SUNDOWN「Design 19」(1997年)

T
THERION「Vovin」(1998年)
THEATRE OF TRAGEDY「Velvet Darkness They Fear」(1996年)
TIAMAT「Clouds」(1992年)
TYPE O NEGATIVE「October Rust」(1996年)

Posted on 2012/01/08 Sun. 21:54 [edit]

過去に紹介したCD一覧[U・V・W・X・Y・Z] 

U

V

W
WALTARI「Yeah! Yeah! Die! Die! -Death Metal Symphony In Deep C-」(1996年)
WHITE WILLOW「Ignis Fatuus(邦題:鬼火)」(1995年)

X

Y

Z

Posted on 2012/01/07 Sat. 21:58 [edit]

過去に紹介したCD一覧[数字・記号など] 

数字・記号など
THE 69 EYES「Paris Kills」(2002年)

Posted on 2012/01/06 Fri. 21:59 [edit]

過去に紹介したCD一覧[国内] 

国内
陰陽座「臥龍點睛」(2005年)
SOUND HORIZON「Elysion~楽園幻想物語組曲~」(2005年)
ZABADAK「桜」(1993年)
DRAGON GUARDIAN「Dragonvarius」(2009年)
FictionJunction YUUKA「Circus」(2007年)
妖精帝國「gothic lolita agitator」(2010年)

Posted on 2012/01/05 Thu. 22:01 [edit]

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